2011年04月25日

手形借入と手形割引


手形借入・貸付と字面の似た言葉に「手形割引」があります。

手形を持っている人は「支払期日が来れば現金を手に入れることができる」のですが、逆に言えば「支払期日が来なければ、現金が手に入らない」ことでもあります。

「どうしても現金が入用だが、手形なら手元にある」という場合には、手形を銀行に裏書譲渡し、現金を得るという方法があります。

支払期日までに生じる金利部分は、受け取る現金から差し引かれることになり、これを「割引料」といいます。

大変便利に見える手形割引ですが、銀行は手形割引をいつでも行ってくれるのではなく、手形を持ち込む人(割引依頼人)や、手形の振出人の信用を調査した上で、手形割引を行うかどうか決めます。

手形割引は、銀行取引約定書による契約を結んで行われることになります。

銀行は、手形振出人の倒産、手形の不渡り・その兆候が見えるなどの状況になった場合、あるいは手形割引依頼人の状況が悪化した場合には、割引依頼人に対して、手形を買い戻すよう、請求できることになっているなどの、厳しい条件が課せられています。

手形借入、手形割引とも、手形をつかってお金を得ることができる便利な方法ですが、その便利さには、リスク・注意点がついてくることを、良く理解しておくべきです。

手形借入の注意点

手形借入・手形貸付は、証書を用いて行う借入・貸付に比べて簡単に資金を調達できるというメリットがありますが、これは注意点・デメリットの裏返しでもあります。

資金を借り入れなければならない理由を分析し、改善するということが本来は必要なはずなのですが、安易に手形借入を利用してしまい、「とりあえず」「今回だけは」と問題の解決を先延ばしにするケースは、日本の中小企業に多く見られる現象です。

手形借入の場合、「期日に支払う」ということができなければ「手形の不渡り」となってしまいますので、借主は必死で返済しようと行動する、と思われがちですが、非常に残念ながら「返済するために、新たな手形借入を重ねる」というケースもあります。

悪質な業者の場合には、非常に高い金利を設定したり、「保証人を立てる代わりに」と、信用保証の費用(名目は様々ですが)を徴収するというケースもあります。

企業を立ち行かせるためには、資金が必要なのは事実ですが、資金繰りの根本的な問題を改善しないで、安易に手形借入を利用していると、金利部分が膨大に膨れ上がっていく現象が起こります。

手形借入にもメリットはありますが、デメリットを知った上で「それでも、メリットが大きい」という場合にのみ、手形借入を利用するのが良いでしょう。

手形借入とは

手形借入とは、お金を借りたい企業が約束手形を発行し、金融機関がこの約束手形を買い取るという形で、企業が資金調達をするという方法です。

手形金額から利息にあたる部分を控除した金額で、金融機関が買取をするため、利息を先払いする形となります。

金融機関にとって手形貸付をするメリットは、上記の通り利息を先に確保することができる点がまず一つあります。

さらに、約束手形は裏書譲渡をして換金することもできます。

手形の支払期間は短期であることがほとんどですので、貸付条件を変更することが、簡単にできます。

手形金額が10万円未満の場合には、印紙税が非課税になり、費用が節約できます。

万が一、借り手(約束手形を発行した企業)が借金を返済することができなくなった場合には、訴訟を起こすことで取り立てて続きをすることが可能です。

この訴訟を「手形訴訟」というのですが、手形訴訟は書面のみで審理され、早くに判決が出るという特徴があり、便利です。

金融機関の中でも悪質な業者は、借主が支払ができなくなった場合に、手形訴訟を起こすことができるようにと、手形を振り出させるというケースもありますので、手形借入を受けたい人は、注意が必要です。